しゃこばな☆しゃあまん 第6話 アウス更生協議会
・・・最近、アウスの様子がおかしい。 どこか、意識が遠くにあるような感じがする。 私が話しかけても、 ヒータ「アウス―」 アウス「ごにょごによ・・・」 ヒータ「おーい」 アウス「・・・・・・」 ヒータ「こら!!」 アウス「わっ!? な、なぁんだ・・・ヒータか」 ヒータ「なぁんだ って・・・」 こんな具合に、なんだかそっけないというか…とりあえず変だ。 ・・・最近、アウスをいじっても面白くない。 後ろから驚かしても何故か全く反応が返ってこない。 たとえば・・・ エリア「 ・・・アウス!!」 アウス「ぶつぶつ・・・」 エリア「・・・なによ、驚きなさいよ」 アウス「・・・・・・」 エリア「アウスっ!!」 アウス「あ、エリア。どうしたの?」 エリア「はああぁぁ・・・」 こんなの、面白くないでしょ? だから最近はもっぱらウィンをこねくり回してる。 ・・・最近、アウスがちょっと僕に似てきた気がする。 ご飯あんまり作ってくれなくなったし、掃除もしないし、なんだかズボラ。 昨日だって・・・ ウィン「アウスー。おなかすいたー。チャーハン食べたーい」 アウス「うん」 ウィン「あ! やっぱりオムライスにしよっかなぁー」 アウス「うん」 ウィン「どっちも捨てがたいなぁー。アウスはどっちがいい?」 アウス「・・・」 ウィン「アウス?」 アウス「・・・え? あ、ごめん…。聞いてなかったよ」 結局、その日はエリアの作った即席ラーメンだった。 「アウス更生協議会」発足。 エリア「まず、アウスがあんな状態になってしまったのは何でだと思う?」 ヒータ「わからん」 ウィン「わからーん」 エリア「アウス、この前、新しいお話の収録に行ってたじゃない?」 ヒータ「あぁ、行ってたなぁ。アウスにピンの仕事はなかなか来ないから、喜んでたよ」 ウィン「でも、それと今回のことがなにか関係あるのかな?」 エリア「それ以外、なにかアウスに起こった? きっと、そこに全てが隠されてるはずよ」 ヒータ「なるほど・・・。 して、その出来事とは?」 エリア「恋よ」 ヒータ「・・・」 エリア「恋よ」 ヒータ「二回も言うな。 分かってる! でも、アウスに限って恋は・・・」 ウィン「ないよ。してほしくないもん」 エリア「私たち、もう立派な大人なのよ?恋の一つや二つ、してもいいじゃない」 ヒータ「アウスの心を奪うような存在がこの世にいるのか・・・?」 ウィン「いないーっ!!」 ヒータ「居るかもわからん・・・が、もしそんな奴がいたとするなら・・・」 エリア「・・・総意のようね」 ウィン「うん!!」 三人 「ブッ飛ばす!!!!!!」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ アウス「〜♪」 アウスが突然、「ちょっと買い物行ってくる」と言って家を出た。 あ協の私たち三人はその後、アウスの後を影で追いかけることにした。 あと、戸締りはちゃんとした。 ヒータ「現在、アウスは鼻歌で桑田K佑の「白い恋人達」を歌いながら公道を歩行中」 エリア「なにか目的があって歩いている様子は?」 ヒータ「わからない。しかし、速度は幾分速めだ」 エリア「ふぅん・・・、なら待ち合わせの可能性が高いわね」 ウィン「角を曲がるよ!」 エリア「よし、追って!」 ヒータ「いない!」 ウィン「あれ?確かにこっちに曲がったはずなのに…」 エリア「なにしてるのよ!見失ったの!?」 ヒータ「いいや、探してみる!」 ウィン「アウスー!!」 エリア「バカ!なに呼んでるのよ!尾行なのよ、これは!」 ウィン「はい!」 ヒータ「あー!どこ行きやがった!」 混乱状態の私たち。 そんなところへ、遭う人物が私(エリア)のもとへやってきた。 レジェ「お、ネェチャン。あんた可愛いね。あそばなぁい?」 伝説の賭博師(レジェンド・ギャンブラー)だ。 エリア「はぁん?今は相手してるヒマないの。立ち去れ!」 レジェ「いいじゃんよォ。きなよォ」 エリア「しつこいわね、どっかいけっつうの!」 レジェ「悪いようにはしないから。ね?」 エリア「うるさい! 邪魔よ!」 レジェ「髪キレイだね。どうやって洗ってるの?」 エリア「愚者よ、散れ!!」 ドパアアン!!! レジェ「ぎゃふぅ!?」 エリア「私を誘おうなんて2万光年早いわ!!」 まったく、なんなのよあの変態は! ルックスにかこつけてなんでもできるとおもうなよ! ヒータ「どうした!」 エリア「なんでもないわ。ハエがたかっただけ。そっちは?見つかった?」 ヒータ「いや、見当たらん」 ウィン「こっちもだよ」 パリイィィン! エリア「何の音!?」 ウィン「いたた・・・。転んでツボ割っちゃったよ〜」 カオス「いてぇのはこっちだ、ガキんちょめ!!」 ウィン「ごめんなさぁい!」 カオス「待てぇ―!!」 ドン! フレイ「あぁあ!? おい、女!肩ぶつけといて挨拶なしかよ?」 ヒータ「うっせぇぞゴラアァ!!」 フレイ「やんのかぁ?」 エリア「ヒータ!そっちは何!?」 ヒータ「炎を支配する者(フレイムルーラー)に喧嘩売られたんだよ! ちょっと待ってろ。コイツブっ殺したらまた連絡する」 フレイ「上等だコラァ!!」 エリア「あーもう、めちゃくちゃじゃないのよ!!」 そんな混沌の中。 私(エリア)は、ベンチに座っているアウスを発見した。 どうやら、何かを待っている様子。 エリア「ウィン。ヒータ。 アウスを発見したわ」 ウィン「え? 本当!?」 ビュウウゥ! カオス「ぎゃあああ」 ヒータ「マジか! よし、今行く!」 ドカァン! フレイ「ぎゃあああ」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ あれから5分経ったが、アウスは依然としてそのベンチから動かない。 時計をちらちら確認している様子から、待ち合わせの相手は遅刻しているのだろう。 いや、アウスのことだからもしかしたら待ち合わせの時間よりかなり早く到着しているのかもしれない。 ヒータ、ウィンとも合流。 その時すでに10分経過。 ヒータとウィンは杖を構え、いつでも殺人事件の容疑者になる覚悟。 私はとりあえず、このまま様子を見ることにした。 ヒータ「誰か来た!」 ウィン「男のヒトみたいだよ」 エリア「なにぃ!?」 もしかして、ほんとうに恋、とかいわないわよね…? 「私たち、もう立派な大人なのよ?恋の一つや二つ、してもいいじゃない」 自分で言ったこの言葉が、急に現実味を帯びてくるのがわかった。 辛い。 アウスが別に、遠くに行ってしまうわけでもないし、私たちのことを嫌いになったわけでもないはずなのに、辛い。 ウィン「アウス・・・」 僕にとって、アウスは一番だよ。 だから、アウスにとっても僕たちは一番であってほしいよ・・・。 それがそうでなくなるなら、さみしすぎるよ・・・。 ヒータ「ほんとうに・・・」 本当にブッ飛ばせるわけないじゃないか。 アウスの恋人―・・・、 って聞いたら腹が立って殴りたくなるけど、 アウスが本当にそいつを想ってたら、ブッ飛ばすことなんて・・・。 アウスは、その男がアウスの側によると、立ちあがって挨拶をした。 しばらく談笑しているようだ。 あれ? まてよ? あの男、たしか・・・ レジェ「よぉ、ネェチャン。あんた可愛いね。僕とあそばなぁい?」 伝説の賭博師―――? ありえない。 あんなチャラチャラした男にアウスが・・・・・・。 ウィン「エリア・・・。我慢するしかないのかなぁ??」 ヒータ「・・・エリア・・・」 まって。 さっきアイツは私にも声掛けてきたわよね・・・。 もちろん狙って。 で、アウスにも会ってる・・・。 なるほど、そういうことですか。 エリア「ヒータ。ウィン」 ヒータ「ん?」 ウィン「なに?」 エリア「あの男、アウスを騙してる。 ぶっ殺すわよ」 ない。 さすがにない。 アウスに嫌われようと何だろうと流石に許せない。 他に何人女がいるかもわからない男にアウスは、 私たちのアウスは渡せない。 エリア「天誅じゃあああぁぁぁあ!!!!」 アウス「え、エリア・・・!!?」 ヒータ「天誅じゃあああぁぁぁあ!!!!!」 ウィン「ピカチュウじゃあああぁぁぁあ!!!!!」 アウス「ちょ、 みんな、なに??」 エリア「アウス! あんたは騙されてるわ! 今からこの男殺すから待ってて!」 アウス「騙され・・・え? なにが!?」 レジェ「!? な、なによ!?」 エリア「死ねえぇぇ!!」 ドゴォオオオオォォォン!!!!! ・ ・ ・ ・ ・ ・ エリア「本当に申し訳ありませんでした」 アウス「もう、ちゃんと事実確認できてから行動しなさいよね・・・」 レジェ「仕方ないわよ。この子には失礼なことしちゃったから」 伝説の賭博師はオカマだった。 さらに、本格派料理教室の先生で、アウスはそこの生徒。 栗ごはん続きでウンザリだったみんなのためにアウスがめちゃくちゃ豪華な料理を出してやろうと、秘密で通っていたらしい。 ヒータ「じゃあ、あたしたちが話しかけても反応しなかったのは?」 アウス「あぁあ。 どんなメニューにしようか悩んでたのよ。私って、家庭的な料理しか作れないからね、 たまにはフランス料理みたいなのも面白いかなぁって」 レジェ「でも、あーた本当に可愛い顔してるわよ。あーたも通わなぁい?」 エリア「結構です」 アウス「本当にごめんなさい、先生」 レジェ「いいのよ。それにしてもアウスさんは本当にみんなに好かれるのね」 アウス「そんな・・・」 ウィン「アウスー」 アウス「うん?」 ウィン「ぼく、チャーハンでいいよ。アウスが作ってくれるなら、なんでもいいよ」 アウス「ウィン・・・」 ウィン「だってエリア、カップラーメンも上手に作れないんだもん」 エリア「なによ、キッチンに立って10分でボヤを起こすクセに!この放火魔!」 ウィン「ちがうもん!オカマじゃないもん!」 レジェ「オ―ホッホッホッホッホッ!!」 それからというもの、アウスは家でいろいろな料理に挑戦していた。 栗ごはんで舌が鈍っていた私たちにとって、それは至福以外のなにものでもなかったが、アウスはどうやら納得のいかない様子。 誰もアウスの料理を不味いなんて言わないのに。 あと、あ協は解散。 アウスを更生なんてする必要なんてない、なんて誰もがわかりきっていることだしね。 さ、今日も食った食ったぁ! カロリーも少し気になるが、いい。 アウスのごはんはいつでも最高においしいし、いつでも最高に心がこもってるから。 おしまい♪